tearless【連載中】
「何がいい?」

『…何作れんの?』



そう言いながら少しずつ縮まる距離。



“本当、ムカつく位綺麗な顔…”



そんな余裕を見せれる様になった私。

ソファーに背中を預けると、もちろん上からは璃琥が私を見下ろす。



「食べたいモノ無いの?」

『ある…』



金色の髪が少しずつ近くなると、重なった唇。

触れるだけの軽いキス。



煙草の匂いがした―……。



『いつになったら続き出来んの?』

「は?」

『もう、我慢出来ねーんだけど?』

「バカ…」



頭上で絡まった2人の指先をギュッと握り締めると“早く彼女になれよ?”耳元で囁き首筋に降りてくる甘い吐息と唇。



「璃琥…好きだよ?」

『知ってる』

「何それ…」

『顔に書いてある』



今度は深く重なる唇に、私は幸せを感じた。



このまま流されてしまっても構わない…。



そう思うけど、璃琥は決してキスから先に進もうとしない。

きっと“彼女”じゃないからなんだ。

毎日唇を重ね合わせ、ただ私からアイツが消えるのを待ってる。

いっその事奪ってくれたら、私も“付き合って”って言いやすいのに。

璃琥が変に真面目だから、私も中途半端に返事出来ないじゃん…。


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