tearless【連載中】
「苦い…」

『慣れろ』



フッと笑みを漏らすと、私から離れた。

時々見せる璃琥の笑顔は、私の心を熱くする。

決して他の人には見せない優しい笑顔。

だからこそ、あの冷たい瞳を見ると胸が締め付けられるんだ。



“本当はこんなに綺麗な笑顔持ってるのに、何であんなに冷め切った瞳をするんだろう?”



怖い位に冷たくて、すごく切なそうで…。

人を寄せ付けようとしない…――。



でもね?

不思議とアイツとは重なって見えなくなったんだ…。

自分でも良く分からないけど、怖いってより悲しく見えるの。



「璃琥は私の事好き?」

『んだよ、急に』

「好き?」

『はぁ…、好きだよ』



金色の髪をクシャクシャにすると、顔を背けた。

本日2度目の赤面。

“我慢出来ねー”とか平気で口にするクセに、こーゆう言葉だといちいち顔を赤くする。



「璃琥も可愛いトコあんじゃん」

『…うっせーよ』

「いーじゃん。本当の事なんだから」



特に甘い時間を過ごす訳じゃ無いけど、こんな関係がいつまでも続くといいな…。

彼女になっても、ずっとずっとこうして璃琥と変わらず過ごして行きたい。

今は、心からそう思うよ…私…。


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