tearless【連載中】
『あお…いって、閉まっ!!』

「あっ…ごめん」



半分閉まりかけたドアを、璃琥がボタンを押して再び開けてくれた。



『はぁ…、お前何やってんだよ?』



呆れた顔で私を見下ろす璃琥。

この顔も、もう見慣れた。

私がそれだけ璃琥に心配掛けてるって事かも知れないけど…。



「璃琥が“ありがと”なんて言うから…」

『は?』



怪訝そうな表情を浮かべながらも、少し照れてる様に見えた。



「行こ?」

『マジ、意味分かんねー女』



この時、初めて璃琥の前を歩いた。

まぁ、20m位だったけどね?



「スーパーどこ?」

『知らねーって』

「マジで知らないの?」

『嘘吐くかよ…。あー暑っちい…』

「いつもどこで買い物してんの?」

『家に来るババァが買ってくるから、知らねーって…』

「ババァ?」

『…お手伝いさんってやつ?』

「居るのっ!!?」

『みたいだな…。昼間来てるから会わねぇけど』



やっぱり金持ちだ…。

なんて思いながら、夕日に照らされキラキラと輝く金色の髪を見つめた。

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