tearless【連載中】
璃琥…。

初めて、隣歩いてくれたね。

いつも背中を追うばっかだったから、嬉しい。

こんな些細な事ってみんなは笑うかも知れない…。

でもいいんだ。

私はそんな些細な事が幸せなんだもん。



「…着いた」

『結局ここかよ…』



スーパーに着いたのは、家を出てから15分位後。

この辺は住宅街の為、コンビニはあってもスーパーや大型ショピングセンターは駅の方に行かないと無い。

結局、私達は駅近くのスーパーまで来た訳で。



「しょーがないじゃん。璃琥の家からだとここが一番近いんだし…」

『他にあんの?』

「うちの近くにもスーパーあるよ?」



でもウチと璃琥の家は逆方向だから、駅の方が近い。



『早く中行くぞ』

「はぃはぃ…」



自動ドアを抜ければひんやりとした空気が体を包み込み、汗ばんだ肌を冷やしてくれた。

夕方って事もあり、店内はそこそこ賑わっている。



『混んでんな…』

「早く買って帰ろ…」



カートを引きながら次々と食材をカゴに入れると、足早にレジに向かう。



『買い物って大変だな?』

「大変だよ…」



本当に、買い物しないんだろうか…この男は。

まぁ、お手伝いさんだっけ?

居るし、しないか…。

って事は、掃除洗濯とかもお手伝いさんがしてるんだよね?

きっと…。


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