tearless【連載中】
――‥‥
―――………
『先輩に逢えなかった~』
マイク越しに結衣の大音量の声が小さい部屋に響き渡る。
朝、約束したカラオケBOXに来て30分。
曲を歌い終わる度に“璃琥先輩~”と叫んでいるのだ。
「あのさ、そんな事言ってると彼氏に振られるよ?」
ため息混じりに結衣を見ると、膝の上に乗せた本を捲り曲を選んでいる。
“私の話聞いてる?”口を尖らせると“先輩は憧れで、拓磨(たくま)は彼氏。だから別じゃん?”笑みを漏らすと、悪びれる様子も無く再びマイクを手に取った。
スピーカーから大音量でアップテンポの曲が流れ出すと、立ち上がり歌い始める結衣。
楽しそうにしてる姿を見た私は“まあ…幸せなら”と、それ以上考えるのを止めた。
2時間後、カラオケを出た私達は近くのファミレスに入り、店員に案内された窓際の角の席に座ると、それぞれパスタとアイスティーを頼んだ。
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『先輩に逢えなかった~』
マイク越しに結衣の大音量の声が小さい部屋に響き渡る。
朝、約束したカラオケBOXに来て30分。
曲を歌い終わる度に“璃琥先輩~”と叫んでいるのだ。
「あのさ、そんな事言ってると彼氏に振られるよ?」
ため息混じりに結衣を見ると、膝の上に乗せた本を捲り曲を選んでいる。
“私の話聞いてる?”口を尖らせると“先輩は憧れで、拓磨(たくま)は彼氏。だから別じゃん?”笑みを漏らすと、悪びれる様子も無く再びマイクを手に取った。
スピーカーから大音量でアップテンポの曲が流れ出すと、立ち上がり歌い始める結衣。
楽しそうにしてる姿を見た私は“まあ…幸せなら”と、それ以上考えるのを止めた。
2時間後、カラオケを出た私達は近くのファミレスに入り、店員に案内された窓際の角の席に座ると、それぞれパスタとアイスティーを頼んだ。