tearless【連載中】
『そのまま待ってろ』



そう言葉を残し、自分の部屋に行ってしまった璃琥。

まぁ…、いつもの事だけど。

“はぁ…”溜息をつき、そのままソファーに体を預けた私は目の前に広がる風景に視線を置いた。

青い空に、白い雲。

窓から差し込んだオレンジの光は、フローリングを眩しい程に輝かせていた。



“もう…授業始まってるな…”



そんな事を考えてたら、ふと、結衣との約束を思い出した私。



「…後で電話しなきゃ…」

『森山との約束?』



いつの間にかリビングに戻っていた璃琥に、ビクッと肩が上がると、また痛んだ肩。

思った以上に、酷いみたい。



『買い物…だったよな?』

「え?…う、うん!!」



そうだ。

璃琥には買い物って言ってたんだっけ…。

そんな私を見た璃琥は、呆れた表情を浮かべ“はぁ…”と溜息をつく。



『本当分かり易いな…』



そう吐き捨てると隣に座った璃琥に、私は何も言い返す事が出来なかった。



『肩』

「…はぃ…」



この時、もう璃琥に嘘をつく事はやめようと改めて思った私だった。


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