tearless【連載中】
璃琥はソファーから立ち上がると、私の視界からゆっくりと消えていく…。
私は、握りしめていた携帯をポケットに戻すと“なんか…疲れた…”心で呟きながらソファーに体を深く深く沈めた。
『あーおい』
聞き慣れた声が耳に入ってきたのは、あれから少しして。
広すぎ!!と連呼しながら、躊躇う事なく私の隣に座ると鞄を膝の上に乗せてきた。
『大丈夫?』
さっきまでの騒ぎが嘘の様に、落ち着いた口調で話すとそっと肩に手を置いた結衣。
ブラウス越しに伝わってきた手の熱に、湿布を貼った反対側の肩との温度差を強く感じていた。
『葵…怪我でもした?』
「やっぱ匂う?」
私はずっと湿布の匂いを嗅いでいた為か鼻が麻痺し、そんなに気にならなくなっていたけど。
「大したこと無いから…」
肩に手を置くと、笑顔を作って見せた。
もう、これ以上心配掛けたくない…。
そんな私の気持ちを知ってか、結衣も笑みを漏らすと“雅貴先輩も来てるよ”体を横に向け、後ろを振り返る。
結衣の視線を追い私も振り返ると、半分程開いていたドアの先には璃琥と雅貴先輩がこっちに向かって来るのが見えた。
金と黒の対照的な髪。
長身で綺麗な顔をした2人は、やっぱりいつ見ても目に付く。
…なのに、ちょっと前まで存在を知らなかった私は本当に周りに関心が無かったんだね…。
私は、握りしめていた携帯をポケットに戻すと“なんか…疲れた…”心で呟きながらソファーに体を深く深く沈めた。
『あーおい』
聞き慣れた声が耳に入ってきたのは、あれから少しして。
広すぎ!!と連呼しながら、躊躇う事なく私の隣に座ると鞄を膝の上に乗せてきた。
『大丈夫?』
さっきまでの騒ぎが嘘の様に、落ち着いた口調で話すとそっと肩に手を置いた結衣。
ブラウス越しに伝わってきた手の熱に、湿布を貼った反対側の肩との温度差を強く感じていた。
『葵…怪我でもした?』
「やっぱ匂う?」
私はずっと湿布の匂いを嗅いでいた為か鼻が麻痺し、そんなに気にならなくなっていたけど。
「大したこと無いから…」
肩に手を置くと、笑顔を作って見せた。
もう、これ以上心配掛けたくない…。
そんな私の気持ちを知ってか、結衣も笑みを漏らすと“雅貴先輩も来てるよ”体を横に向け、後ろを振り返る。
結衣の視線を追い私も振り返ると、半分程開いていたドアの先には璃琥と雅貴先輩がこっちに向かって来るのが見えた。
金と黒の対照的な髪。
長身で綺麗な顔をした2人は、やっぱりいつ見ても目に付く。
…なのに、ちょっと前まで存在を知らなかった私は本当に周りに関心が無かったんだね…。