tearless【連載中】
『来るとき聞いたんだけど、雅貴先輩彼女居ないんだって』

「うん…」

『知ってたの?』

「知らない…」



2人の姿を眺めながら淡々と答える私に『はぁ…。相変わらず反応薄いよね…葵は』呆れたように言葉を吐き出すと、横に向けていた体を戻し、ソファーに背中を預けた。

相変わらず…か。声にならない声で呟くと、私も結衣の隣に座り直し、窓の外をボーッと眺める。

まだまだ容赦なく照らす日差しは、ガラスを通り抜け部屋全体を明るく照らしていた。



「結衣…」

『ん?』

「…人って変われると思う?」

『なに?急に…』

「…何となく」



窓から視線を外し、頭ごとソファーにもたれ掛かると真っ白な天井を見つめる私。



『変われるよ…きっと』



結衣の言葉にコクンと頷くと、目を閉じアイツの顔を思い浮かべた。



“変われる”



そう信じて…。



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