tearless【連載中】
「昨日たくさん泣いたからもう涙枯れちゃった…」
心配させない為の嘘。
なんて格好いい理由を付けてみるけど、現実逃避で。
真那斗と一緒に過ごした4ヶ月、本当に楽しくて優しく私を包んでくれたあの笑顔がアイツの事忘れさせてくれてた。
それなのに“別れよう”って言われた時、泣けなかった事で完全に消し去れてなかった事実を身をもって痛感させられて悔しかったの。
もう大丈夫だって思ってたのに、それが勘違いだったって事実をどうしても認めたくなかったんだ…。
もう解放されたいのに、アイツの冷たくて見下すような瞳が私を雁字搦めにするから。
私は強くなんか無い。
泣かないのは、未だに怖くて怯えてるから。
今はいないアイツの影に……―。
『…そろそろ行こっか』
結衣は立ち上がると、伝票を持ってレジへと向かう。
私も急いで飲みかけの紅茶を空にすると、後を追った。
会計を済ませると店を出た私達。
もうすぐ6月。冷たかった風もすっかり暖かくなり、心地よく髪を揺らす。
『どーする?』
「帰ろっか…」
『だね』
キラキラと輝くネオン街を抜けると、街灯と月明かりが照らす住宅街を歩く。
『じゃあね』
「おやすみ」
手を振り別れると、ザワザワと揺れる葉の音を聞きながら家へと向かった。
心配させない為の嘘。
なんて格好いい理由を付けてみるけど、現実逃避で。
真那斗と一緒に過ごした4ヶ月、本当に楽しくて優しく私を包んでくれたあの笑顔がアイツの事忘れさせてくれてた。
それなのに“別れよう”って言われた時、泣けなかった事で完全に消し去れてなかった事実を身をもって痛感させられて悔しかったの。
もう大丈夫だって思ってたのに、それが勘違いだったって事実をどうしても認めたくなかったんだ…。
もう解放されたいのに、アイツの冷たくて見下すような瞳が私を雁字搦めにするから。
私は強くなんか無い。
泣かないのは、未だに怖くて怯えてるから。
今はいないアイツの影に……―。
『…そろそろ行こっか』
結衣は立ち上がると、伝票を持ってレジへと向かう。
私も急いで飲みかけの紅茶を空にすると、後を追った。
会計を済ませると店を出た私達。
もうすぐ6月。冷たかった風もすっかり暖かくなり、心地よく髪を揺らす。
『どーする?』
「帰ろっか…」
『だね』
キラキラと輝くネオン街を抜けると、街灯と月明かりが照らす住宅街を歩く。
『じゃあね』
「おやすみ」
手を振り別れると、ザワザワと揺れる葉の音を聞きながら家へと向かった。