tearless【連載中】
不意に振り返ると、微笑んだ祐樹が“どうぞ”と言わんばかりに助手席のドアを開けている。
ここまでされては断るに断れず“本当にすぐですよ?”そう言いながらも渋々車に乗り込んだ。
すぐに運転席に回り乗り込んできた祐樹がハンドルを握れば、車はゆっくり走り出す。
『なんか無理矢理ごめんね?』
また苦笑いを浮かべた祐樹に、“いぇ…”一言だけ返事を返し、膝の上に乗ったコンビニの袋を見つめた。
家までの数分。
会話らしい会話などなく、道を教えるとあっという間に見慣れたマンション前。
「すいません。ありがとうございました」
ありきたりな言葉を並べ車を降りようとした私に『葵ちゃんってさ、彼氏いるの?』唐突にそんな言葉を投げ掛けてきた祐樹。
なぜそんな事を聞くのか?
なんて考えた所で分かるハズもなく、車内には数秒の沈黙と手に持った袋の擦れる僅かな音だけが響く。
「いません、けど…」
ここまでされては断るに断れず“本当にすぐですよ?”そう言いながらも渋々車に乗り込んだ。
すぐに運転席に回り乗り込んできた祐樹がハンドルを握れば、車はゆっくり走り出す。
『なんか無理矢理ごめんね?』
また苦笑いを浮かべた祐樹に、“いぇ…”一言だけ返事を返し、膝の上に乗ったコンビニの袋を見つめた。
家までの数分。
会話らしい会話などなく、道を教えるとあっという間に見慣れたマンション前。
「すいません。ありがとうございました」
ありきたりな言葉を並べ車を降りようとした私に『葵ちゃんってさ、彼氏いるの?』唐突にそんな言葉を投げ掛けてきた祐樹。
なぜそんな事を聞くのか?
なんて考えた所で分かるハズもなく、車内には数秒の沈黙と手に持った袋の擦れる僅かな音だけが響く。
「いません、けど…」