tearless【連載中】
――…
―――……
もう、ここに来て何日経ったのだろう?
帰ろうとする私に“恋愛ごっこ、付き合ってやろうか?”そう言って、愉しげに笑う祐樹に返す言葉も見つからず、睨み付けた私。
『嫌なの…?』
“せっかく付き合ってあげるって言ってんのに…”吐き捨てる様に言葉を口にしながら再びベッドに押し倒す祐樹に、“好きにすれば?”抵抗する気にもなれず、全てを遮るように目を閉じた。
覆い被さる体。
拘束される手首。
反応を楽しむ様に動く舌。
いつもと同じ事をしているのに、全てが哀しく心を締め付けていく。
こんな形で体を重ねるのは嫌なのに反応してしまう体は、祐樹の言う通り“好き”と言っている様で。
悔しくて、涙ばかりが溢れては流れていく。
そしてその涙を見れば、祐樹は態度をコロッと変え突き放すんだ。
“泣く女は嫌い”
ヒシヒシと伝わるその想いは、やがて泣き止まない私に痛みを与えていく。
〔そんな顔すんなって言ってんだろ〕
〔泣いても、何も変わらないよ?〕
どこか遠くを見る瞳は、いつも憎しみと悲しみが入り交じり揺れていたから。
殴られた顔よりも、心の方が痛かった。
もう、見たくない。
祐樹がなんでこんなにも涙を嫌うのかは分からないが、私が泣かなければ殴られる事も、表情を歪ませる事もないんだ。
どうせ、こんな顔じゃ帰れない。
だから、泣く事を止めた。
…止めるしかなかった。
感情を殺し、祐樹の怒りに触れない様に過ごす。
これで全て丸く収まる。
そう思ったら、嘘の様に消えていった涙。
だって泣かなければ、祐樹はいつもの祐樹でいてくれたから。
私の好きだった祐樹がそこに居てくれたから。
だから、泣けなくて辛いとは思わなかった。
寧ろ、涙なんか無くなればいいとさえ思う自分がいたんだ。
―――……
もう、ここに来て何日経ったのだろう?
帰ろうとする私に“恋愛ごっこ、付き合ってやろうか?”そう言って、愉しげに笑う祐樹に返す言葉も見つからず、睨み付けた私。
『嫌なの…?』
“せっかく付き合ってあげるって言ってんのに…”吐き捨てる様に言葉を口にしながら再びベッドに押し倒す祐樹に、“好きにすれば?”抵抗する気にもなれず、全てを遮るように目を閉じた。
覆い被さる体。
拘束される手首。
反応を楽しむ様に動く舌。
いつもと同じ事をしているのに、全てが哀しく心を締め付けていく。
こんな形で体を重ねるのは嫌なのに反応してしまう体は、祐樹の言う通り“好き”と言っている様で。
悔しくて、涙ばかりが溢れては流れていく。
そしてその涙を見れば、祐樹は態度をコロッと変え突き放すんだ。
“泣く女は嫌い”
ヒシヒシと伝わるその想いは、やがて泣き止まない私に痛みを与えていく。
〔そんな顔すんなって言ってんだろ〕
〔泣いても、何も変わらないよ?〕
どこか遠くを見る瞳は、いつも憎しみと悲しみが入り交じり揺れていたから。
殴られた顔よりも、心の方が痛かった。
もう、見たくない。
祐樹がなんでこんなにも涙を嫌うのかは分からないが、私が泣かなければ殴られる事も、表情を歪ませる事もないんだ。
どうせ、こんな顔じゃ帰れない。
だから、泣く事を止めた。
…止めるしかなかった。
感情を殺し、祐樹の怒りに触れない様に過ごす。
これで全て丸く収まる。
そう思ったら、嘘の様に消えていった涙。
だって泣かなければ、祐樹はいつもの祐樹でいてくれたから。
私の好きだった祐樹がそこに居てくれたから。
だから、泣けなくて辛いとは思わなかった。
寧ろ、涙なんか無くなればいいとさえ思う自分がいたんだ。