tearless【連載中】
金髪男…基、新条 璃琥は、無表情のまま階段を上りきると私と同じ階で徐に足を止めた。

階段に座っていた男子達が一瞬顔を強ばらせると、逃げる様に私の前を通り過ぎていく。

私も気付かれないウチに教室に戻ろうとしたのに“葵~、早くしないとまた遅れるよ”最高のタイミング、しかも大きい声でドアから結衣が顔を覗かせた。



「………」



嫌~な視線を感じた私はその方向に顔を向けると、案の定あの冷ややかな目で私を見る新条 璃琥。



“ドクッ、ドクッ、…”



急速に動きを速める胸を抑え、目を逸らそうとするけど逸らせない…。

アイツの顔が重なって見えて、目の前がクラクラする。


 
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