tearless【連載中】
安心…と言うより、ホッとした。

いつまた裕樹が目の前に現れるか分からない…。

そんな恐怖心が少し薄れたから…。



「大丈夫ですから、そんなに謝らないで下さい」

『…葵ちゃんは強いね。こんな事言ったらあれだけど…』



“ここに来た子達は、みんな泣き崩れて取り乱してたから…”

下を見て、息を深く吐き出す誠二さん。

裕樹に痛めつけられた彼女達を、どんな思いで見てきたのだろう?



「誠二さんも大変だったんですね…」

『葵ちゃん程じゃないけどね』



“逆に心配してもらったの、初めてだよ…”そう言って笑う誠二さんは、なんだか嬉しそうに見えた。



きっと心配するばかりで、自分の事は二の次だったのだろう…。



そこまでして裕樹の傍に居る事無いのに…。







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