tearless【連載中】
…リアルな夢。
鏡を見て首元や頬を確認してしまう程、現実的だった。
『葵、大丈夫?』
「うん、夢見てたみたい…」
友里が時々心配そうに見るから。
私は、無理やり笑顔を貼り付ける。
こんな夢を見るのは、きっと裕樹の過去を知ったから。
ふと裕樹を思い返しては、どうしてるのだろう…と、心配する自分がいたからだ。
きっと…。
そう思い、やり過ごした。
でも、それも1ヶ月、2ヶ月…と経つと、精神的、肉体的にも苦痛になり。
家はもちろん、学校でも、ボーッとする事が増えた。
何をしてても上の空。
食事も喉を通らない…。
そして、そんな私を見兼ねて…なのか、学校側から呼び出されてしまった。