tearless【連載中】
“はい、すいません。”
“気を付けます。”
進路指導室で隣に座る友里からは、謝罪の言葉ばかり…。
私は何もしていない。
私は悪くない。
そう思うけど、理由なんて話せない。
話せるハズがない。
だから、窓から見える寒空をずっと見つめていた。
「友里…、ごめん」
指導室を出るなりため息をつく友里に謝る。
そんな友里は、何も言わず私の頭を軽くつつくと、“最近の葵、やっぱり変だよ”先を歩きながら言葉を吐き出した。
「寝不足なだけ…」
『…そうは見えないけど?』
“なに隠してるの?”足を止め振り返る友里と不意に目が合った私は。
“寄る所あるから、先帰ってて”逃げるように靴を履くと、速足で駅に向かった。
一体、私は何を考えているのだろう…。
そう思うのに、足はどんどん加速するばかり。
もう限界だったんだ。
隠すのも、悩むのも、夢に魘されるのも…。
だから、私は……………。