tearless【連載中】
『保健室行く?』

「…平気…」



無理やり口角を上げると“いきなり座り込むからビックリしちゃった”って心配そうな顔を残しつつおどけて見せる。



「…いつも心配ばっか掛けてごめんね…」



結衣のあの心配そうな顔を見る度に本当に“ごめんね”って思うの。

私がもっとしっかりしてたら、親友にあんな顔させなくて済むのに。



『今更何言ってんの…』



“親友が苦しんでたら心配するの当たり前でしょ?”って頭を小突く結衣は笑顔で。



『璃琥先輩…と何があったの?』



私の手をギュッと握るその手は、とても温かかった。



その握られた手を眺めながらあの日の事を話すと、まだちょっと疑問を抱きながらも自分なりにまとめたらしく、



『要は、先輩の事を知らなかったから驚いたって訳ね』



そう言って、ホッとしたように溜息を漏らした。


 
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