tearless【連載中】
太陽が隠れるのをただボーッと眺めてると、いつの間にか教室には私1人だけになり、1週間前の光景が蘇った。
“別れよう”
夕日に照らされ、オレンジ色に染められた真那斗の背中。
ただ今は雲にしっかり覆われた太陽が教室を照らす事は無い…。
「私、何やってんだろ…」
いつまでもアイツを忘れられないせいで結衣を泣かせて、挙げ句に真那斗を思い出したりなんかして…。
「情けないなぁ…」
苦しくても、親友が私の為に泣いてくれても、当の本人が泣けないなんて…。
鞄を持つと、下駄箱に向かい靴に履き替えた。
どんよりとした重苦しい空気の中に足を踏み出せば、ポツリ、ポツリと地面に染みができ、みるみるうちにアスファルトの色が濃くなっていく。
独特の匂いと生温い雨が私を包み込み濡れていく身体。
まるで泣けない私の代わりに泣いてくれてるかの様に激しさを増していく雨に“アイツも一緒に流れちゃえばいいのに”って、排水溝に吸い込まれていく雨を見つめながら思った。
“グイッ”急に腕を引かれ、そのまま下駄箱に引き戻された私の耳に入ってきたのは“お前、やっぱバカだろ?”聞き覚えのある声…と金色の髪。
腕が離され、下駄箱の段差にドカッと座り込むその男は“新条 璃琥”だった。
“別れよう”
夕日に照らされ、オレンジ色に染められた真那斗の背中。
ただ今は雲にしっかり覆われた太陽が教室を照らす事は無い…。
「私、何やってんだろ…」
いつまでもアイツを忘れられないせいで結衣を泣かせて、挙げ句に真那斗を思い出したりなんかして…。
「情けないなぁ…」
苦しくても、親友が私の為に泣いてくれても、当の本人が泣けないなんて…。
鞄を持つと、下駄箱に向かい靴に履き替えた。
どんよりとした重苦しい空気の中に足を踏み出せば、ポツリ、ポツリと地面に染みができ、みるみるうちにアスファルトの色が濃くなっていく。
独特の匂いと生温い雨が私を包み込み濡れていく身体。
まるで泣けない私の代わりに泣いてくれてるかの様に激しさを増していく雨に“アイツも一緒に流れちゃえばいいのに”って、排水溝に吸い込まれていく雨を見つめながら思った。
“グイッ”急に腕を引かれ、そのまま下駄箱に引き戻された私の耳に入ってきたのは“お前、やっぱバカだろ?”聞き覚えのある声…と金色の髪。
腕が離され、下駄箱の段差にドカッと座り込むその男は“新条 璃琥”だった。