tearless【連載中】
思ったよりも濡れてたらしく、私からポタポタと滴り落ちた水がコンクリートに吸い込まれては色を染めていく。
『お前、泣いてんの?』
“彼氏に振られたとか?”悪びれる様子も無くそう言うこの男。
相変わらず目立つ金色の髪に整った顔。
3年生という証のブルーのネクタイを、第3ボタンまで外されたシャツに引っかけていた。
「泣いてないです」
やっぱり苦手だ…。
どこか影のある感じとか、こないだみたいに殺気は無くとも冷たい目とか…。
ふいっとあからさまに顔を背けると
『可愛くねぇ女』
吐き捨てる様にセリフを口にした新条璃琥は、後ろ手に体を反らした。
「…失礼します」
これ以上一緒に居たくなくて再び足を外に出そうとした瞬間、“ゴー”っと一瞬にして外の景色が掻き消される程の雨にゆくてを阻まれる私。
『お前、雨女?』
雨音に混じって後ろから飛んでくる声にはあえて聞こえないフリをして私はグレー1色の外をただ眺めていた。
『お前、泣いてんの?』
“彼氏に振られたとか?”悪びれる様子も無くそう言うこの男。
相変わらず目立つ金色の髪に整った顔。
3年生という証のブルーのネクタイを、第3ボタンまで外されたシャツに引っかけていた。
「泣いてないです」
やっぱり苦手だ…。
どこか影のある感じとか、こないだみたいに殺気は無くとも冷たい目とか…。
ふいっとあからさまに顔を背けると
『可愛くねぇ女』
吐き捨てる様にセリフを口にした新条璃琥は、後ろ手に体を反らした。
「…失礼します」
これ以上一緒に居たくなくて再び足を外に出そうとした瞬間、“ゴー”っと一瞬にして外の景色が掻き消される程の雨にゆくてを阻まれる私。
『お前、雨女?』
雨音に混じって後ろから飛んでくる声にはあえて聞こえないフリをして私はグレー1色の外をただ眺めていた。