tearless【連載中】
短くなった煙草を足下に置くと靴で踏んで火を消した新条先輩。

その吸い殻を蹴飛ばし隅へと追いやった。



『…強がり』



そう一言呟くと私の腕を引っ張りその反動で横へと座る形になってしまった。



「ちょっ、何すんの!!」



20cm程隣に居る新条先輩に視線を向けると、少し俯き下を見ていた。

その横顔がまた綺麗で見とれていると“まあ…俺は嫌いじゃねーけどな”って呟いたんだ。



「嫌いじゃ…ない?」



意味が分かんない。

あんなに私に暴言を吐いておきながら、何を言ってんの…?



『お前みたいな女、初めてだから』



“俺に楯突く奴なんて今まで居なかった”そう言って笑ったんだ。



「あんたも笑えんだ」



いつも無表情か怒ってるから、笑わない奴だと思ってた。

でも、違うんだね。



『璃琥でいい…』

「は?」

『だから、名前で呼べっつってんの』



“どーせ、先輩とか付ける気ねーだろ?お前”って溜息をつく。



「アンタこそお前しか言わないじゃん」

『うっせーな。俺はいいんだよ』



はっ…、

相変わらず無茶苦茶だね…。


 
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