tearless【連載中】
と、カチカチと音が響き校舎内の電気がついた。
薄暗かった下駄箱も明かりが灯され、私達の顔がハッキリと浮かび上がる。
「雨、弱くなったみたい」
いつの間にか雷も通り過ぎ、グレーだった景色に色が戻り始めていた。
『もう止むな』
「そうだね」
ガラス扉から2人で外を眺めながら、初めてまともな会話をした様な気がする。
何か分からないけど、璃琥ってそんなに悪い奴じゃ無いのかな…なんて思った。
その時、階段から足音が聞こえ“ん?何か煙草臭せーな”という声が耳に入り込む。
『ちっ、小林だ…』
「え?」
面倒くさそうに腰を上げる璃琥。
よく分かんないけど、ここから離れた方が良さそうだと云う事だけは分かった。
『葵、行くぞ』
「あっ、うん」
鞄と濡れたブレザーを取ると、扉を開けていた璃琥の後をついてまだ少し雨の残る外へと足を踏み出した。
『あぶね…』
「だからここで吸うなって言ったじゃん」
『吸うなとは言ってねーだろ?』
「まあ…そうかも」
前を歩く璃琥はポケットに手を突っ込み、出逢った日と同じ格好。
薄暗かった下駄箱も明かりが灯され、私達の顔がハッキリと浮かび上がる。
「雨、弱くなったみたい」
いつの間にか雷も通り過ぎ、グレーだった景色に色が戻り始めていた。
『もう止むな』
「そうだね」
ガラス扉から2人で外を眺めながら、初めてまともな会話をした様な気がする。
何か分からないけど、璃琥ってそんなに悪い奴じゃ無いのかな…なんて思った。
その時、階段から足音が聞こえ“ん?何か煙草臭せーな”という声が耳に入り込む。
『ちっ、小林だ…』
「え?」
面倒くさそうに腰を上げる璃琥。
よく分かんないけど、ここから離れた方が良さそうだと云う事だけは分かった。
『葵、行くぞ』
「あっ、うん」
鞄と濡れたブレザーを取ると、扉を開けていた璃琥の後をついてまだ少し雨の残る外へと足を踏み出した。
『あぶね…』
「だからここで吸うなって言ったじゃん」
『吸うなとは言ってねーだろ?』
「まあ…そうかも」
前を歩く璃琥はポケットに手を突っ込み、出逢った日と同じ格好。