tearless【連載中】
「ちょっ、離してよっ!!」



腕を力の限り動かしたけど、男達はガッチリと絡ませ離れる所かキツくなる一方。



「ッ…」



覚悟を決め、20m位歩いた時だろうか?

右側の男がすれ違い様に誰かと肩がぶつかった。



“痛ってー”

“あ゙ぁ?”

“だ―か―らぁ―、痛いっつってんの”



ぶつかった相手は私より年上…だろうか?

薄暗くてよく見えないけど、月明かりに浮かんだ金色の髪だけははっきりと視界を捉えた。



必然的に私の腕を離れたナンパ男は、金髪男に近付き今にも殴りかかりそうな勢い。

それに動じない金髪男もジーンズに手を突っ込んだまま余裕の表情で。



どうする事も出来ない私は、この光景をただ呆然と見てるしかなかった。


 
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