tearless【連載中】
「何でそう勝手なの…」



気が付くと、雨も上がり後ろから太陽が顔を覗かせ始めた。

それと同時に私の心も少しずつ晴れていく気がしたんだ。



“新条 璃琥”



アンタがどんな奴なのかまだよく分かんない。

けど、アイツとの違い見つけたよ。



「笑顔と優しさ…」



アイツは心から笑った事も、私の事心配してくれた事も無かった。

璃琥は口数少ないし、言葉も悪いけど、その中に少しだけ優しさを感じたから。



「だから、もう似てるって言わない様にする…」



濡れたアスファルトがキラキラと輝きだし、眩しさから目を細める。



「ところで、明日学校来る訳?」



風に吹かれ葉っぱから零れ落ちる滴を肩に感じながら、璃琥が曲がった角を見つめていた。



「まあ…いっか」



雨上がりの匂いを体いっぱいに感じながら、深呼吸すると曲がり角を通り過ぎ、私はまっすぐな道を歩いて帰った。


 
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