tearless【連載中】
「っつーか、何なんだよ…」
突然謝ったと思ったら逃げやがって…。
本当意味分かんねー女。
『璃琥、授業始まっけど?』
不機嫌モードに陥った俺を気にもとめず話し掛ける雅貴。
相変わらず爽やかな顔しやがって…。
雅貴とは中学からの付き合い。
こんな俺を怖がる事もなく普通に接してくる唯一の男だ。
「俺、パス」
葵に触れた右手をギュッと握りしめると、雅貴に背を向けて歩き出した。
“さっきの子、探しに行くんだ?”そんな言葉が聞こえたが、あえてシカトして階段へ向かう。
“誰があんな女探すかっての”
そう思いながらも足は自然と3階へ下り、2―Aの札が掛けられている教室を覗いている俺。
昼休みの賑やかな空間が突然静まり返り、みんなの視界が注がれる。
もう慣れた状況だが、やっぱり居心地は最悪。
女達の黄色い声と視線を感じながら葵の姿を探すが見当たらない為、また溜息が漏れる。
「…んで俺がこんな事しなきゃなんねーんだよ?」
益々募る苛立ちをグッと抑え教室に背を向けると更に階段を下りた。
“キーンコーンカーンコーン”
丁度チャイムが鳴り廊下に居た奴等が教室に入ると、静かになった校舎内には俺の足音だけが響く。
「バカみてぇ…」
自分の行動にまた溜息をつきながらも1階に着くと、下駄箱の前に佇む後ろ姿が視界に入り込んできた。
相変わらず茶色の髪をクルクル巻いてる女は、紛れもなく葵。
「いた…」
溜め息混じりに言葉を吐き出すと少しずつ距離を詰めていった。
―璃琥side END―
突然謝ったと思ったら逃げやがって…。
本当意味分かんねー女。
『璃琥、授業始まっけど?』
不機嫌モードに陥った俺を気にもとめず話し掛ける雅貴。
相変わらず爽やかな顔しやがって…。
雅貴とは中学からの付き合い。
こんな俺を怖がる事もなく普通に接してくる唯一の男だ。
「俺、パス」
葵に触れた右手をギュッと握りしめると、雅貴に背を向けて歩き出した。
“さっきの子、探しに行くんだ?”そんな言葉が聞こえたが、あえてシカトして階段へ向かう。
“誰があんな女探すかっての”
そう思いながらも足は自然と3階へ下り、2―Aの札が掛けられている教室を覗いている俺。
昼休みの賑やかな空間が突然静まり返り、みんなの視界が注がれる。
もう慣れた状況だが、やっぱり居心地は最悪。
女達の黄色い声と視線を感じながら葵の姿を探すが見当たらない為、また溜息が漏れる。
「…んで俺がこんな事しなきゃなんねーんだよ?」
益々募る苛立ちをグッと抑え教室に背を向けると更に階段を下りた。
“キーンコーンカーンコーン”
丁度チャイムが鳴り廊下に居た奴等が教室に入ると、静かになった校舎内には俺の足音だけが響く。
「バカみてぇ…」
自分の行動にまた溜息をつきながらも1階に着くと、下駄箱の前に佇む後ろ姿が視界に入り込んできた。
相変わらず茶色の髪をクルクル巻いてる女は、紛れもなく葵。
「いた…」
溜め息混じりに言葉を吐き出すと少しずつ距離を詰めていった。
―璃琥side END―