tearless【連載中】
だんだんと速度が上がり、柔らかい風が私の髪を靡かせる。
流れていく景色を眺めながら、何となく璃琥の背中に体を預けた。
ドクン、ドクンと規則的に動く鼓動が私の体全体に伝わる。
『辛い?』
背中からダイレクトに伝わる璃琥の声。
今日は気持ち悪い位に優しい…。
「こうしててもいい?」
『楽なら…』
何でこんな事言ったのか自分でもよく分からない。
でも、何となく落ち着いたから…。
『熱あった方が素直で可愛げあんな、葵は』
意地悪く言う璃琥の言葉に“うるさい”と返したけど、本当はすごく嬉しかったんだ。
ドキドキして顔が火照り、熱の所為なのか訳が分からなくなる位…。
「そこ右…」
『ん』
もうすぐ私の住むマンションに着く。
茶色いタイルが貼られた11階建ての見慣れた建物。
「ここでいいよ」
その言葉に“ギー”と不快な音をたてながら止まる自転車に、自然と体は離れ璃琥と距離が出来る。
寂しさを感じながら私は荷台から降りた。
流れていく景色を眺めながら、何となく璃琥の背中に体を預けた。
ドクン、ドクンと規則的に動く鼓動が私の体全体に伝わる。
『辛い?』
背中からダイレクトに伝わる璃琥の声。
今日は気持ち悪い位に優しい…。
「こうしててもいい?」
『楽なら…』
何でこんな事言ったのか自分でもよく分からない。
でも、何となく落ち着いたから…。
『熱あった方が素直で可愛げあんな、葵は』
意地悪く言う璃琥の言葉に“うるさい”と返したけど、本当はすごく嬉しかったんだ。
ドキドキして顔が火照り、熱の所為なのか訳が分からなくなる位…。
「そこ右…」
『ん』
もうすぐ私の住むマンションに着く。
茶色いタイルが貼られた11階建ての見慣れた建物。
「ここでいいよ」
その言葉に“ギー”と不快な音をたてながら止まる自転車に、自然と体は離れ璃琥と距離が出来る。
寂しさを感じながら私は荷台から降りた。