tearless【連載中】
『1人で大丈夫か…?』

「平気」

『ぶっ倒れんなよ?』



“また顔赤くなったみたいだしな”そう言いながら私に鞄を手渡した。



璃琥…。

きっと顔が赤いの、熱のせいじゃ無いよ…。



「じゃあ…ね…」

『早く治して、いつもの葵に戻れよな?』



“素直すぎて、張り合いねーからつまんねー”と、口角を上げる。



「何それ!!」

『怒ると熱上がる』

「璃琥のせいでしょ?」



頬を膨らませていると、“それだけ元気あれば大丈夫だな。とにかくゆっくり休め”そう言ってペダルに足を掛け、来た道を戻っていった。





「…笑顔なんか見せないでよ…」



冷たい言葉投げかける癖に、いつもどこか優しくて…。

嫌いだったはずなのに、今はこんなにドキドキしてる。



“突き放すならとことん突き放してよ…”



中途半端な優しさなんか要らない。

勘違いしちゃうから…。


 
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