tearless【連載中】
友里は母親が死んでから、ずっとこうして私の面倒を見てくれていた。

嫌な顔一つしないで家事と仕事をこなす姿を見てると、本当に尊敬してしまう。

と同時にいつも甘えている自分が情けなく思え、手伝いはしていたもののどこかで“友里が居るし”と考えていた事を恥ずかしく思った。



「忙しいのにごめんね…」



もうすぐ17になるってのに、いつまでも心配かけている自分に嫌悪感が襲う。

“今更、何言ってんの”と鼻で笑う友里に溜息をつく事しか出来なかった。



“いつもありがと”



言葉には出せないけど、本当に感謝してるから…。



『お粥食べれる?』



うなだれる私に視線を向けると“やっぱ食欲ない?”と心配そうな顔に変わる友里に“…今はいいや”と言葉を返した。



『じゃあ、お腹空いたら言って。…ひどくなるから部屋で寝てな?』



“後で飲み物持ってくね”そう付け加えると、目で“部屋に戻れ”と促す。



「今日は家に居るの?」

『うん』



私のせいで拓ちゃんの所に行けないのかな…と罪悪感を残しながらイスから立ち上がると、相変わらずフラフラする体を引きずりながら暗闇に包まれている廊下へと戻った。


 
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