tearless【連載中】
部屋に入り、歪む視界のなか足を踏み入れると、熱のせいで鉛の様に重くなった体が限界を迎えベッドにたどり着く事すらままならなくなった私はドアを閉めるなりそのまますぐ横の壁にもたれ掛かった。
“風邪ってこんなに辛かったんだ…”なんて他人事みたいに思っていると、今さっき閉めたドアが開きそこの隙間から顔を覗かせた友里と目が合う。
途端“…ベッドに入らなきゃダメじゃん”と、溜息を漏らし、体を支えられながら何とかベッドに潜り込んだ。
“大人しく寝てなよ?”と、まるで小学生を叱るかの様な口振りに“分かってる”とつい口調が強くなる。
でも、そんな私を気にする事無く淡々と事を進める友里に、自分の小ささを感じた。
『じゃあここに置いとくからね』
ペットボトルを頭上にある棚に置くと、背中を向け出て行ってしまった。
―ガチャッ...
ドアの閉まる音がするなり、一気に静まり返る部屋。
何となく私は布団を頭まですっぽり被る。
吐き出される息がすごく熱くて火照った顔を更に熱くしていく中 、ふと浮かぶ璃琥の顔。
今でも夢じゃないかと思うけど、確かに璃琥に送ってもらったんだよね…。
あの時の感触が今でも私の中にはっきりと残り、現実だと告げている。
“じゃあ、好きな気持ちも夢じゃない?”
本当に私は好きになっちゃったの?
アイツと同じ瞳を持った璃琥を本当に…――。
そんな事を考えていると意識がだんだんと遠退いていき、自然と瞼が閉じた。
“風邪ってこんなに辛かったんだ…”なんて他人事みたいに思っていると、今さっき閉めたドアが開きそこの隙間から顔を覗かせた友里と目が合う。
途端“…ベッドに入らなきゃダメじゃん”と、溜息を漏らし、体を支えられながら何とかベッドに潜り込んだ。
“大人しく寝てなよ?”と、まるで小学生を叱るかの様な口振りに“分かってる”とつい口調が強くなる。
でも、そんな私を気にする事無く淡々と事を進める友里に、自分の小ささを感じた。
『じゃあここに置いとくからね』
ペットボトルを頭上にある棚に置くと、背中を向け出て行ってしまった。
―ガチャッ...
ドアの閉まる音がするなり、一気に静まり返る部屋。
何となく私は布団を頭まですっぽり被る。
吐き出される息がすごく熱くて火照った顔を更に熱くしていく中 、ふと浮かぶ璃琥の顔。
今でも夢じゃないかと思うけど、確かに璃琥に送ってもらったんだよね…。
あの時の感触が今でも私の中にはっきりと残り、現実だと告げている。
“じゃあ、好きな気持ちも夢じゃない?”
本当に私は好きになっちゃったの?
アイツと同じ瞳を持った璃琥を本当に…――。
そんな事を考えていると意識がだんだんと遠退いていき、自然と瞼が閉じた。