tearless【連載中】
「そうだったんですか。すいません、私…知らなくて…」
璃琥のだと思ってた私は、ちょっと驚いた。
私の為にわざわざ借りてくれたと知り、胸がざわつく。
今さっき諦めようと決めたばかりなのに、もう気持ちが揺らいでる。
『いきなり“自転車借りる”って俺から鍵奪ってさ…』
“後から理由聞いて、葵ちゃんの為だって知ったんだ”って笑う雅貴先輩。
「…迷惑かけちゃいましたよね…」
自転車が無かったって事は、歩いて帰ったのだろうか?
そう思ったら、罪悪感で一杯になった。
そうとも知らず、璃琥の背中でドキドキしてた自分が恥ずかしい。
『葵ちゃんが謝る事無いよ』
「でも、自転車無くて困っただろうし…」
『友達のケツに乗せてもらったから。葵ちゃんは気にしないで』
“ってか、帰るの?”そう付け足すと、急に真面目な顔になった。
「はい…。やっぱりまだ調子悪くて…」
嘘をつきたくは無いけど、本当の事は言えない。
『あのさ…、璃琥ってあんなだから結構嫌われる事多いけど、葵ちゃんは嫌わないでやって』
“根はいい奴だからさ…”ポツリと呟くと“じゃあ、俺行くね”と私の横を通り過ぎ校舎内に入ってしまった。
璃琥のだと思ってた私は、ちょっと驚いた。
私の為にわざわざ借りてくれたと知り、胸がざわつく。
今さっき諦めようと決めたばかりなのに、もう気持ちが揺らいでる。
『いきなり“自転車借りる”って俺から鍵奪ってさ…』
“後から理由聞いて、葵ちゃんの為だって知ったんだ”って笑う雅貴先輩。
「…迷惑かけちゃいましたよね…」
自転車が無かったって事は、歩いて帰ったのだろうか?
そう思ったら、罪悪感で一杯になった。
そうとも知らず、璃琥の背中でドキドキしてた自分が恥ずかしい。
『葵ちゃんが謝る事無いよ』
「でも、自転車無くて困っただろうし…」
『友達のケツに乗せてもらったから。葵ちゃんは気にしないで』
“ってか、帰るの?”そう付け足すと、急に真面目な顔になった。
「はい…。やっぱりまだ調子悪くて…」
嘘をつきたくは無いけど、本当の事は言えない。
『あのさ…、璃琥ってあんなだから結構嫌われる事多いけど、葵ちゃんは嫌わないでやって』
“根はいい奴だからさ…”ポツリと呟くと“じゃあ、俺行くね”と私の横を通り過ぎ校舎内に入ってしまった。