tearless【連載中】
異様なまでの熱気に包まれた教室は、何もしていなくても汗が滲んでくる。

窓は全開で開かれ、時折吹く風にヒラヒラと揺れているカーテンが、私の顔に掛かったり離れたりを繰り返す。



「はぁ…」



風も生ぬるくて全然涼しくないし。

体力が奪われていく中“璃琥は何してるんだろ?”目の前で揺れるカーテンに顔を思い描く。



まず、私から逢いに行く事は無い。

呼び出されない限り、4階には行かないから。

後はたまに璃琥が教室に来たりする程度で、帰りも一緒に居るのは極僅か。

バイトも週5日も入ってて、殆ど一緒居る時間なんて無いのが現状…。

徐にポケットに入ってる携帯を取り出すと、机に置いてゆっくりと開いた。

黒かったディスプレイがパッと明るくなると、いつもと変わらない画面に肩を落とす。



『何?俺からの連絡待ってた?』



背後からの声に驚き振り返ると、意地悪く笑った璃琥が私を見下ろしていた。



「い、いつ来たの?ってか、別に待ってないし」



急いで携帯をスカートに押し込めると、何となく気まずくて視線を逸らす。


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