誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~


「え~っと…後は…」



コンコン。



返事をする間もなく、ドアがガチャリと開いた。



「斉藤さ~ん、例の不良品の件で、本社からお電話入ってますけど…後にしてもらいますか?」



「あっ!それ、急いでるの。若松さん、ちょっとごめんなさいね」



斉藤さんは慌てて部屋を出ていく。



えっ…



さ、斉藤さんっ?!



斉藤さーーんっ!!



彩の心の叫びも虚しく、密室に二人がとり残された。



シーン。



気まずい沈黙が続き、彩がたまらず席を立とうとしたとき…




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