誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~
「それで?これから桐谷とはどうするつもり?」
「別に。会社ではお互い知らんふりで、このまま三ヶ月乗り切るだけ」
「それって、会社の外ならオッケーってこと?
もう、二人で会う約束とかしたの?」
「まさか?あたし達、五年も前の一夜限りの関係よ。
それに、あのときとは立場が違うの。バリバリのエリート社員になった敬が、今さら三つも年上のあたしみたいなパート社員にマジになるわけないし…」
「でも、チューされちゃったんでしょう?それって、もう始まってるってことなんじゃないの~?」
「だ、か、らぁ~、マジだったらいきなりキスなんてするわけないでしょ。からかってるに決まってんじゃない」
「あ~確かに、彩って、からかいがいあるもんねぇ~」
「どういう意味?」