誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~
「ウッソだねー。さっきからずーっと彩のこと、エロい目で見つめちゃってんですけど~」
「そうそう、柄にもなく鼻の下ビローンと伸びてるし」
敬は思わず咳払いなどして、口元を押さえる。
「いや、そんな…いや…ん、んっ…」
冷や汗をおしぼりで押さえたり、ネクタイをギュッギュッと緩めたり、ウーロン茶を一気に飲み干したり、タバコを逆さまにくわえたり…
ウフ、ウフフフッ…
いつも冷静沈着な敬が、理香や和也にからかわれて焦ってる様子が、彩にはたまらなくおかしい。
「ねぇ、和也く~ん、あたし達そろそろバックレどきじゃない?」
「だね~。理香ちゃん、これからカラオケでも行く?」
「行く行くっ!」
「じゃ、敬さん、今日はゴチっす」
「ごちそうさま~。彩をヨロシクネ~」