誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~


それから、どれだけの時間が立ったのか。



「ピンポンピンポンピンポン…」



インターホンの連呼音に目が覚めた。



ドンドンドン、ドンドンドン。



次にドアを叩く音。そして、



「若松さん、若松さん…」



えっ、まさか…



朦朧とした意識のままベッドから起き上がり、そっとドアを開ける。



「遅くなって、すいません」



そこに立っていたのは、もう帰ってこないはずの…



「あ……もう、お休みでした…よ、ね?」



……敬?



恐る恐る客室に足を踏み入れた敬は、薄手の布地越しに艶かしいボディラインをくっきり浮かび上がらせている彩の部屋着姿に、まいったなと言うように額に手を当てた。



これは…夢?





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