誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~
そして――
見惚れるほどに端正な顔を斜めに傾け、敬の唇がスローモーションで降りてくる。
「ぁ……んぅ…」
身も心もとろけるような甘いくちづけに、彩はうっとり目を閉じてしまう。
やがて、熱で痺れた彩の唇を押し開き、熱い舌が滑り込んでくる。
「彩……もっと力抜いて…」
あ……ダメ……
このままじゃ、敬に溺れちゃう…
わずかに残っていた理性が、押し寄せる欲望の波に呑み込まれてゆく。
クチュクチュ、クチュクチュ…
舌と唾液の絡まる水音が、真夜中の静寂に響き渡る。
「ふ……っ、ぁ…んんっ…」
腰が浮いて、揺れて、もうじっと立っていることもできない。
敬は崩れ落ちそうな彩をそっと抱き上げ、低く掠れた声で囁いた。
「ベッドへ行こう」