誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~


「テニスコートにもパッタリこなくなって、着信も拒否られて、たまに大学で会ってもシカトされて…

やっと想いが通じたと感激した十代のいたいけなガキは、結構マジでへこんだんだけどな。

もう二度と口も聞いてもらえなくなるほど、嫌なことしたのかなって…俺の何が…ダメだったのかなって」



敬……



「それが知りたくて、あれから、言い寄られるままに何人…いや、何十人もの女と関係を持ったけど…」



な、な、何十人っ…?!



「多分、自己チューで、一人よがりで…サイテーだったんだろうな。あのときの俺って…」



「そんな……こと…

ごめん。そんな…嫌なことなんて、一つも、なかった」



「えっ?」



沸き上がる嫉妬心に、つい唇が尖ってしまう。



「そりゃあ?何十人もの人と?経験した今の敬に比べたら…

女のコを喜ばす…テク…ニック…とか、意地悪言って焦らせる、余裕、とか……まだ、そんなに…なかったのかも、しんないけど…

でも、あたしはすごく感じちゃって…もう、敬に溺れちゃう…って思うくらい」



「じゃあ、どうして?」




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