未来への光
3年前のあの日、あたしたちは、すごく

泣いたよね。憧れ続けていた夢を一瞬で

壊してしまったような気がして…。

でも、その後君は何事もなかったように、

練習をしていたよね。だから今の君がいる。

そう信じて、あたしも頑張ってこれた。

別々の道を歩み、離ればなれになって、

すごく寂しい想いをしたときもあった。

でも、君が毎日嬉しそうに報告してくれる

ただそれだけで、寂しさも吹き飛んだ。

そして今日、最後の大舞台。

これが圭吾の走る姿を見届けられる、

最後の試合かもしれない。

「位置について、よーい…」

去年と同じ暑い日差しの中、

トラックで笑っている圭吾がいる。
< 20 / 25 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop