未来への光

残された13日間

15日、今日からまた早瀬くんは走るらしい。

なのであたしは、朝早くから

お弁当を作っていた。

いつも通りの時刻にグラウンドに行くと、

やっぱり早瀬くんはいた。

でも、いつもと様子が違っていた。

気になって、早瀬くんの所に行った。

「早瀬くん。どうしたの?
元気ないみたい。」

「神宮さん。実は……。」

ガッシャーン

あたしは思わず、持っていたお弁当箱を

落としてしまった。


早瀬くん、今何て言ったの……。

それは、あたしのせい…だよね……。

落ち込んでいる彼を目の前にして、

あたしは、何も言えなかった。

ただ、彼の言葉があたしの頭の中を

めちゃくちゃにした。


「俺左足首を捻挫した。全治10日間。
医者は『治っても残り3日間で走ることは不可能だろう。』って言ったんだ。
悔しい…今まで頑張って練習してきたのが、全部無駄になってしまったみたいだ。」

言い終わった彼の目には大粒の涙しかなかった。

あたしは彼に何をしてあげられるの…………。
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