笑わない女と俺
笑わない女と文化祭
10月の中旬。

学校の周りの樹木が紅葉で鮮やかな色になる頃。

学校では文化祭の準備が始まる。

二年に一回の文化祭。
運が悪い事に丁度入学した今年、その行事は開催される事になっていた。

ちなみに俺は、学級委員という面倒くさい役職。

文化祭の役割分担も含めて、俺が全て決めなければいけない状況だ。

「ごめーん、持ってきたよ!」

この元気の声の主は、俺と一緒に学級委員をしている岩永加奈。

この明るく元気な部分とか、ぱっちりな目とか、大きな胸とか、そういう部分が男にうけるのかクラスでは人気があった。

「岩永、ありがとう。重くなかった?」

「ううん、大丈夫。それよりこれで明日から使う道具の準備は全部大丈夫かな?」

「ああ、あとは俺が明日からの作業の分担決めれば全部終わりだ」

「そっか、それなら良かった」

俺の後ろから岩永が密着して分担表を覗きこむ。

「私は、どこでもいいからね!、面倒な所でもいいし」

「あ、ああ、うん…」

男というのは厳禁なものである。

後ろに当たる感触に敏感に身体が反応してしまう。

いやいや、いかんいかん。


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