笑わない女と俺
しばらくそんな状態が続くが、岩永が身体を引く。

「まあ、それならいいけど…」

「何か、心配かけたみたいでごめんな。でも、あいつと話したからって何も心配な事はないよ。学級委員同士で心配してくれる気持ちは分かるけど、別に本当に心配いらないから」

後ろを向いてしまう岩永。

なんだろう?。

「分か……ないわよ…」
「岩永?…」

「そろそろ遅いし、帰りましょう!。明日から文化祭の準備急がしいだろうし、今日はゆっくり休まないと…」

「ああ…」

その日は二人で途中まで下校した。

それにしても最後、岩永の奴何か言った気がするけど何言ってたんだろう?。

まあ、いっか。

重要な事ならもう一度言ってきただろうし、たいした事じゃなかったんだろう。

帰り道、線路沿いに流れる秋風が少しだけ冬の匂いを感じさせる。
そんな帰り道だった。
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