笑わない女と俺
笑わない女とプリント
俺の名前は尾倉武文。いきなりだが、うちの高校には、今一つの逸話がある。

私立天王寺学園。

笑わない女の噂。

ちなみにこの噂は嘘でもデマでもない。

何故なら、そいつと俺は同じクラスだから。
テストの度に来て、授業に出ないくせに学年で一番の点数を取る女。

その名は山月笑美

とにかく、不思議というか変というか、どう例えればいいのか困る。
ちなみにこいつの名前は、これからカタカナでエミと書く事にする。

俺は、たまたまというか、不運というか今年学級委員になってしまった都合上、エミの家に向かっていた。

そう、今日は、エミの所に先生から頼まれたプリントを届けなければならないわけである。

先生の書いてくれた地図は下手すぎてかなり迷ったが、学校から30分くらい掛けてやっとエミの家に着く。

謎すぎる女とは対照にエミの家は普通だ。

ていうか、本当に普通なのかよ!。

心の中で突っ込みを入れながら、チャイムを鳴らそうとする。

すると、上の階からなにやら扉を開けるような音がする。

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