ブラック王子に狙われて①
満たされない心
夏休みが終わり、今日から2学期。
…………気が重い。
学校で………彼に会うかな?
1人でトボトボ歩いていると、
「絢、おはよ」
「ん?……おはよ」
ゆずと合流。
「絢、まだ謝ってないの?」
「………ムリだよ」
「ムリムリ言ってないで、謝っちゃえばいいじゃん。言ってみなきゃ分かんないよ?」
「いや………ムリだから」
「もしかしたら、王子も後悔してるかもよ?」
「…………それは無い」
「んっもう!!だったら、いつまでもウジウジしてないで、新しい恋をするとか、何かに没頭するとか…何もないの?」
「あったら……こんな風になってないよ…」
「はぁ……ダメだこりゃ……」
ゆずには休み中に報告済み。
宿題も手に着かない私を心配して、何度も自宅に来てくれた。
中々吹っ切れない私を見て…
『もう一度、頑張ってみれば』
って、言ってくれるけど…
あの氷のような視線を浴びた私には、
これ以上、頑張る勇気が湧き出ない。