ブラック王子に狙われて①
「絢。今日は半日だし、パーッとカラオケにでも行く?」
「え?」
「ねっ!?行こうよ!!私が奢ってあげるから」
「…………うん」
ゆずが私に気を遣って、声を掛けてくれている。
ホントは……たぶん………。
ユウくんから彼のこと聞いて、何でも知ってるんだろうね。
それでも、私には何も言わない。
…………ってことは、もう脈が無いってことでしょ。
はぁ……分かってはいるけど…
やっぱり………凹むなぁ……。
カラオケに来てみたけど、やっぱり盛り上がらない。
って言うより、今…歌える気分じゃない。
はぁ………。
「絢」
「ん?」
「そろそろ限界なんじゃない?」
「え?」
「もう……気づいてるんじゃない?」
「………???」
「自分の気持ち」
「自分の気持ち?」
「そう」
………どういうこと?