ブラック王子に狙われて①
「絢?行かなくていいの?」
「……ダメ………だろうね」
「だったら、ほら!彼が怒る前に行かないと」
「へ?……怒る?」
「そう。“来るのが遅ーい!!”って、怒るかも?」
「ぎゃっ!ゆず、また明日。バイバイ!」
「頑張ってぇ~」
笑顔で手を振るゆずを背に、
私は猛ダッシュで1Bの教室へ。
っ!!
もう、HR終わってんじゃん!!
ヤバッ。
ドアの隙間から教室をそっと覗き込む。
?????
………いない。
もしかして、遅いから怒って帰っちゃったとか!?
どどどどどど、どうしよう!!