ブラック王子に狙われて①
この空き教室がある場所は…
文化部の部屋がある棟になっていて、放課後まで意外と人がいない。
俺らは煩い女子から逃れる為、ここで過ごしている。
「慧、あの子らだよ」
「はぁ?」
「俺が言ってる可愛い2人組」
「へ?」
俺はもう一度彼女らを見た。
確かに、すげぇ可愛い。
「へぇ~、あの子らイケメン嫌いなんだぁ。なぁ、慧はどっちが好み?」
「あー別にどっちでも。つうか、興味ねぇ」
「マジで?あんなに可愛いのに?」
「女なんて皆同じだろ」
「俺もさっきまで、そう思ってたけど…あの子ら違うだろ」
「どうして分かるんだよ」
「さっきの話、聞いてなかったのか?」
「いや、聞いてたけど…」
「慧、俺決めた!!」
「決めたって何を?」
「俺、あの子を彼女にする」
「はぁぁぁあ!?」
「ちょっ…お前、声がデカいって」
「わりぃ…」
この日から、
ユウは彼女らをストーカーするようになった。
まぁ、ストーカーってのは大袈裟か。