ブラック王子に狙われて①
「それと…」
「ん?」
「絢、あんなに痩せてるのに…ここの所さらに痩せて来た」
「はぁ?」
「恋煩いってやつよ」
「っ!!」
アレ以上痩せたって……完全にヤバいだろ。
体育祭当日。
俺は体育祭が終わったら、彼女にもう一度告白しようと決心していた。
彼女は小柄な割に足が速くて…
自分の競技の合間に彼女の姿を無意識に追っていた。
競技も終盤になり、団体競技が増えて来た。
そして、彼女が俺の視線の先に…再び現れた。
騎馬戦に出場するらしく、クラスの男子に担ぎ上げられて…。
彼女の脚やお尻に触れてるE組男子を、
心の中で惨殺する……俺。
開始を告げるピストル音と共に逃げ回る彼女ら。
俺は手を握りしめ、心の中で叫ぶ。
逃げろ!!…後ろ!!……危ない!!
怪我するんじゃ無いかとヒヤヒヤで。
思わず奥歯を噛みしめる。