ブラック王子に狙われて①
『…残りはA組、C組、E組の3体!!』
そのアナウンスと共にA組、C組の騎馬が
アイツ目がけて襲いかかった。
次の瞬間―――――!!
彼女はA組、C組どころかE組の男子達の下敷きに。
「絢!!!!」
運よく、午後は救護係という事もあり
俺は彼女を保健室へ運んだ。
体育祭本部席にもケガ人がいると言うので、
保健の先生はテントへ戻って行く。
俺は彼女が気が付いたら、呼びに行くと約束して…。
寝ている彼女の手を握りしめる。
久しぶりの感触。
相変わらず……細すぎる。
すると、彼女が目を覚ました。
寝ぼけている彼女に声を掛ける。
久しぶりに見る彼女のプチパニック状態。
フッ。懐かしいなぁ。
痛い所は無いかと尋ねると、“特には…”と答えた。
良かったぁ……無事で。
俺は自然と顔が綻んだ。