ブラック王子に狙われて①
すると、彼女が突然…話があると言う。
彼女の言葉に耳を傾けると、ポロポロと涙が零れた。
っ!!何でだよ…何で急に泣くんだよ。
思わず、抱きしめたくなる気持ちをグッと堪えて…
彼女が発した言葉に心臓が止まるかと思った。
『わ、私……今でも慧くんのことが好きなの。ううん、前よりもっと好きになってる』
そして……
彼女は俺がいないと心が満たされないと…
………そう、呟いた。
そして、夢のようなひと言を……
『下僕でもペットでも何でもいい!!だから、もう1回だけ…慧くんの心を下さい!!』
俺は心が震えた。
体育祭が終わったら、
俺が彼女を捕まえに行こうと決めていたのに
彼女に俺の心を捕まえられた。
フフッ。やっぱ、俺にはコイツしかいねぇ。
そう思うと、またあの日々を思い出して…
つい、イタズラ心が疼き始める。