ブラック王子に狙われて①
「他のヤツは?」
「え?」
「誰かいるのか?」
「えっと、私の親友の佐伯柚子って子がいます」
「で、俺が行けばいいのか?」
「来てくれるんですか?」
「…………あぁ」
ゆずに“OK”と手で合図。
「えっと、で、出来れば…誰かを誘って来て貰えると…」
「誰かって誰?」
「………えっと…」
ゆずが“優くん”と記された紙を差し出す。
「あの……小金井くんって誘えますか?」
「ユウ?」
「えっ………はい…」
「ちょっと待ってろ」
「へ?」
受話器越しに微かに漏れる声。
もしかして、ユウくん…そこにいるの?