ブラック王子に狙われて①
「絢~出なくていいの~?もうすぐ10時になるわよ~」
「は~い!!」
はぁ…。
仕方ない……行きますか?
母親の呼びかけが合図となり、
課題の入ったバッグを手にして。
ご主人様の待つ“魔の巣窟”へ
いざ、出陣!!
ピンポーン。
とうとう来てしまった。
………魔の巣窟へ。
「絢、開いてる。入って来い」
「…………はい」
1週間ぶりに聞く彼の声。
少し低めの冷たい感じ。
そして相変わらずの俺様口調。
躍り出す…
心臓に手をあて…深呼吸。