ブラック王子に狙われて①
えっ!!!??
いやいや…お母様!!
それはマズいですよ!!!
彼……慧くん……あなたの息子さんの顔色を見て下さい!!!
物凄――――く、不機嫌ですから!!
「あっのっ……私、慧くんに送って貰いますから…」
「そう言わずに、晋の車に乗ってって。そうの方が早いし…ね?」
「え゛っ!?…………」
何故か強引にお母様に外へ連れ出され、
晋さんと言う彼のお兄さんの車に乗せられた。
「じゃあ、絢ちゃん。またね?」
「はい」
「晋、ちゃんと送りなさいよ」
「あぁ、行って来る」
「………」
彼はブスッと黙ったまま、ジッと見てる。
何か………言ってよ。
「絢、着いたら連絡しろ」
「はい」
車は神宮寺家を出発した。